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Project-Story 01

Munetaka Mukaida

向田 崇敬

商品本部 商品開発部
カテゴリーマネージメント担当
ダイレクター
1995年入社

『みなさまのお墨付き』を通して
チーム一丸で西友ファンを増やしていく

西友に入社後、7年間の店舗勤務を経て商品本部に異動した向田。
食品バイヤーとして12年間のキャリアを積み、現在は商品開発部でリーダーとしてPB(プライベートブランド)である
『みなさまのお墨付き』における新商品の開発や既存商品のリニューアルなどを牽引している。

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バイヤー時代に学んだ、「ワンチーム」で向き合うことの大切さ

商品開発部が担うのは、PB(プライベートブランド)をはじめとする西友オリジナル商品の開発だ。そして「ONLY SEIYU」の品揃えを実現し、ウォルマート・ジャパン全体のビジネスを拡大するとともに、それらの商品を通して消費者の「Save money. Live better.」に貢献することをミッションとしている。その中で向田は、PB商品の開発とリニューアルにおける全工程に携わり、チームリーダーとして業務を推進し続けている。
西友の象徴的なPBといえば『みなさまのお墨付き』だ。消費者テストで70%以上の支持を得たものしか商品化しないというコンセプトを持ち、2000アイテムものラインアップを有している。この『みなさまのお墨付き』が誕生したのは2012年。当時、向田は商品本部で食品バイヤーを務めていたが、その際にバイヤーとして『みなさまのお墨付き』の仕入れを担当することになった。
「当時はまだ日本ではPBは『安かろう悪かろう』というイメージが根付いていた。『みなさまのお墨付き』のコンセプト『消費者のお墨付きを得る』は他のPBにはない斬新なものだったので、バイヤー目線としても期待感を持っていました」
そこで向田は、バイヤーとしてある新商品を2万個仕入れることにした。ところが、上司からは4万個仕入れるべきだというアドバイスを受けたという。
「2万個でも十分に検討をした上での攻めの判断だったので、正直、4万個は多すぎるのではないかと思ったのですが、議論を重ねた上で上司のアドバイスに従うことにしました。すると、あっという間に3万個が売れたのです。『みなさまのお墨付き』のポテンシャルを肌で感じることができた一方で、上司のアドバイスがなければ販売機会を逸してしまっていたこと、自分の分析力の不足を大いに反省しました。以来、周囲の声にこれまで以上に耳を傾けるようになり、チームでビジネスに取り組んでいくことの重要さを常に意識してきました」

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チームメンバーの思わぬアイデアが大ヒット商品に

「ワンチームで向き合う」――。バイヤー時代に培ったその信条は、商品開発部になった今も変わらない。
「現在は商品開発部として商品をつくり、それを社内のバイヤーに提案する立場になりました。私自身はバイヤーとしてのキャリアが長いこともあり、過去の実績や数字を積み上げた提案が比較的得意ではあるのですが、それ以上にチームの仲間たちやバイヤーを巻き込みながら、ワンチームとして一つひとつの商品と向き合ってその価値を見極め、皆で納得のいく商品や仕入れにしていくようにしています」
しかし、ひと言で商品開発といっても『みなさまのお墨付き』が掲げる「消費者テストで70%以上の支持を得る」というハードルはかなり高い。多くの提案がこの壁を超えることができず、ボツになってしまうという。
「いかに思い入れがある商品でも、この消費者テストの結果がすべてです。どのような結果であれ、それを真摯に受け止めるようにしています。連敗が重なり苦しいときもありますが、チーム一丸となって、ユニークなコンセプトを持ちながらお客さまに愛される商品をつくるべく、日々、開発業務に励んでいます」
そうしたチャレンジの中から生まれた大ヒット商品のひとつが、マッサマンカレー(ジャガイモと鶏肉をココナッツミルクやスパイスなどで煮込んだタイ南部のカレー)だ。
「商品開発部では『市場では300円以上するクオリティのレトルトカレーを150円で出す』というコンセプトのもと、レトルトカレーのラインナップの拡充にチャレンジし続けてきました。その中でも、特にヒットしたのがこのマッサマンカレーなのですが、2年前に開発担当者からこの商品を提案されたときには、まさかここまで売れるとは想像もしていませんでした。いかんせん当時はマッサマンカレーといっても知らない人のほうが圧倒的に多く、知名度の点から不利だと考えたのです。しかし、担当者が綿密なデータもさることながら、すさまじい熱量をもって提案してくれたことから、思い切ってチャレンジしてみたところ、これが大ヒット。発売から2年以上を経た今でもその勢いは衰えず、売上は右肩上がりとなっています。」

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既存商品のリニューアルが商品価値の成長につながる

2012年に誕生した『みなさまのお墨付き』だが、向田が商品開発本部に異動してきた時点では、まだその知名度も低いことから毎年多くの新商品を開発することに戦略の軸を置いていた。だが3年目を過ぎる頃から成長のカーブが計画よりも早く緩くなって来た。そこで、向田は「他社のように乱発的に新商品を発売して全体におけるPBの構成比を上げて差別化を図るのではなく、『既存品の底上げ』と『新しいアプローチでの新商品開発』を推進する」という方針を掲げた。
「新商品の売上の推移を見てみると、発売当初は一気に売れ、それから徐々に下降線をたどっていく傾向がありました。そして、さらにその原因をリサーチしていくと、一般的なナショナルブランドの商品は、商品特性によって一定期間で何かしらのリニューアルを行っていることがわかりました。そこから、私たちも既存商品の価格や内容、パッケージを定期的にリニューアルすべきなのではないかという仮説に至りました。従来は新商品にしか行っていなかったモニターテストを既存商品においても1.5~2年周期で実施し、その結果をもとに必要に応じて既存商品のリニューアルを行っていくことにしました」
この既存商品のリニューアルによって、大幅に売上を伸ばした商品がある。そのひとつがハムだ。
「ハムの既存商品を再モニターしたところ、発売当初より売上が大きく落ちていることがわかりました。そこで、ナショナルブランドの取り組みをリサーチしてみると、各メーカーがその時々のトレンドや景況感にあわせて味や歯ごたえを少しずつ変えていることが判明、私たちも思い切って中身、価格、パッケージをすべて見直すことにしました。見直しにあたっては、肉の歯ごたえをよくしてほしいといったモニターの声、価格をもっと下げたいというバイヤーの要望、ブランド認知を再構築したいというチームの思いを重視し、何度も検討と検証を重ね、「品質×価格×展開=商品の価値」を体現できる商品に仕上げることができました。結果、売上は見事に持ち直し、既存商品のリニューアルの重要性を示すことができました」

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チームと関連部署との連携で生まれた限定カテゴリー

新たに期間・数量限定というカテゴリーを開発した背景にも数字的な裏付けがあった。向田はコンビニエンスストア各社が期間・数量限定商品の発売を高い頻度で実施し、有名店とのコラボ、季節限定といった付加価値で多くの顧客の心を掴んでいることに着目したのだ。
「このカテゴリーには絶対の自信がありましたが、実際に開発し、流通させていくとなると、工場の製造ラインを確保するのが至難の業でした。そもそも、既存商品に比べて生産量が少ない上に期間限定なのですから、メーカー側にしてみればある意味、“面倒な商品”になりかねないわけです。また、仕入れ数を決定するバイヤーにも、このコンセプトや狙いを理解してもらう必要がありました。そこで、既存商品についても同時にプロモーションしていくことで新たな相乗効果を生み出せることをアピールし、各決裁者を説得して回りました」
こうしてなんとかスタートを切ることができた期間・数量限定品のカテゴリー。その第一弾商品となったのは「別添香味油付きカップ麺」だった。
「別添調味料を入れるという、途中で味を変えられる楽しみやひと手間のプレミアム感が受け入れられ、既存商品も含め、発売月はカップ麺全体で+20%の売上増となり、この方針が間違っていなかったことが証明されました。これ以降、ポテトチップスや缶チューハイなど、さまざまな期間・数量限定商品の開発に挑み続けています」
ちなみに、既存商品のリニューアル、また期間・数量限定商品の開発に関しても、メーカーや関連部署との連携がもっとも重要な要素となる。
「既存商品のリニューアルにあたっては、ほんのちょっとの味や食感の変化が決め手になるため、メーカーからのノウハウの提供が欠かせません。通常、こうした情報の提供は敬遠されがちなのですが、ここ最近、『みなさまのお墨付き』が売れればナショナルブランドの類似商品も売れるようになることが明らかになってきたので、メーカーに対してはその事実を数字的根拠とともに強調し、協力を依頼するようにしています。また、これらの取り組みにはいずれもコストが関わってくるので、メーカーのみならず、社内のバイヤーや物流部門などの協力も得ながら、全体的なコスト削減に取り組んでいます」
これまでに数々のヒット商品を世に送り出してきた向田だが、まだまだ自身、そしてチームで高みを目指し続けている。
「私たちの最終目的は『オリジナル商品の開発を通して、すべてのお客さまの生活を豊かにすること』です。かつて日本のPBのイメージは「安かろう悪かろう」が一般的でしたが、当社はこれまでの取り組みから『良いのに安い』『面白い品揃え』という新たな価値を提供できるようになりました。また、少しずつ実績を積み重ねてきたことで、取引いただけるメーカーも増え、これまでは依頼を受けていただけなかった大手メーカーからも、製造要請をいただけるようになってきました。この勢いを維持しながら『みなさまのお墨付き』のプレゼンスを一層高め、チーム一丸となって西友ファンを増やしていきたいですね」

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