マイク・デューク(ウォルマートCEO)メッセージ

ウォルマートのサステナビリティ活動についての報告は、本レポートで4回目となりますが、これまで読み続けてくださった方々は、報告書のタイトルが「グローバル・レスポンシビリティ・レポート」に変更されたことにすでにお気づきになったと思います。この変更は、我々が新たに取組んだ新しい社会的、環境的側面の追加と、それらの取組みの進捗を図るデータや方法を追加したことによるものです。
我々は、透明性や説明責任とは、善良で責任ある企業の一部分であるだけでなく、企業をより良く高めてくれるものだと考えています。本レポートを通して、我々は透明性へのコミットメントを強化し、ウォルマート内でどういったことが行われているのか、そしてコミュニティに対しての自らの説明責任を果たしています。また、ウォルマートには、サステナビリティの分野において、今後まだ多くの機会があるだろうということも理解していますが、これまでの取組みにおける成果や、非常に有難い、NGOとの強いパートナーシップなどを踏まえると、それら多くの機会を十分に活かすことができるだろうと確信しています。
2010年を振り返ってみると、ウォルマートは、私のチャレンジである、「サステナビリティへのコミットメントを拡大し加速する」ことに、取組んできました。今日、ウォルマートでは、サステナビリティ活動において、よりグローバルな、より広い範囲の環境問題や、特に社会的な課題を包含するようになっています。例えば、ウォルマートの過去のレポートを読んでくださっている方々は、持続可能な農業、サプライチェーンにおけるGHGの排出削減、米国での飢えを無くそうという果敢な取組み、クリントン・グローバル・イニシアチブで発表した、個々人レベルでのサステナビリティ活動を推進する「わたしのサステナビリティプラン」を推進するためのツールなど、より多くの情報が掲載されていると感じておられると思います。
また、「サステナビリティ360」モデルが、日々の業務、お客様、従業員、お取引先様やコミュニティを通して、我々の可能性を最大限引き出し続けているということも、ご理解いただけると思います。我々は、サステナビリティ活動を、ビジネスへの追加的なフィランソロピー活動としてではなく、ビジネスの重要な一部分として捉えていますが、サステナビリティに関するグローバルの論調が、この視点に向かっているということは、喜ばしいことです。そして、「責任ある消費」や、ビジネスと社会全般で「共有される価値」の創造といったことに関する議論を聞くにつれ、如何にウォルマートがパイオニアとして取組んできたかということを実感します。今後も、サステナビリティ活動において、違いを生み出すこと、そしてその違いを如何に生み出すかということについて先陣を切っていくことが、我々の目指す姿だと考えています。
我々は、多くの重要なエリアにおいて、進歩を遂げています。資源の欠乏や、高いエネルギーや商品のコストに世界が直面している中、我々ウォルマートが可能な限り効率的な経営を行い、お客様が必要とするものをローコストで提供し続けることが、必要不可欠です。ですから、私は、輸送効率において、米国では2005年比で65%、日本では2006年比で33.5%向上したことを、とても嬉しく思います。また、店舗や物流センターでは、LED電球の導入や、薄膜太陽・水素燃料電池で稼動するフォークリフトの使用といった最先端技術による効率化も、継続して行われています。これは、ウォルマートグループ全体で起こっていることで、例えば、ウォルマート中国の新規店舗の形態は、既存の形態より約40%も、エネルギー効率が改善されているのです。
また、我々は、昨年、2015年までにグローバルサプライチェーンにおけるGHGの排出量を2000万トン削減する目標を掲げるという、大きなステップを取りました。これまでに、お取引先様と協力して、20以上の商品カテゴリーで取組んでいます。中国にある染色工場へのサポート通して、繊維製品1トンあたりで、約1~2トンのGHGの排出を削減できることがわかっています。これは環境に良いだけでなく、お取引先様がより効率的な生産するということにもつながります。
我々は、サステナビリティの社会的な側面に対しても特に力を入れており、世界中のコミュニティで、有効な役割が果たせると思っています。ビジネスで最善の結果を出すためには、能力の高い人々やリーダシップを発揮できる人々を採用・育成し、且つ組織内に引き止めておく必要があります。小売業でのキャリアをスタートできる約5,000人の学生を育てた、インドにあるバーティウォルマートトレーニングセンターでも、現在ウォルマートのすべてのグループ会社で活動している、女性のリーダーシップカウンシルでもそうですが、様々なバッググラウンドを持つ従業員やコミュニティに対して、成長し、成功する機会を提供することを、我々の優先事項としています。そしてこれは、私個人の優先事項でもあります。
ウォルマートは、今日社会が直面している、健康的な食品へのアクセスといった課題にも取組んでいます。今年の初め、我々は、2015年までに、米国の店舗で提供される何千という食品の塩分を25%、砂糖を10%、工業的に生産されたトランス脂肪をすべて取り除くといった宣言をしたのですが、その際、ファーストレディ、ミッシェル・オバマ氏と同じ壇上に上がるという、大変光栄な機会を頂きました。また、お客様が新鮮な青果を購入する際、10億USドルを節約できるようにするということも、同時に宣言しました。何故なら、我々は、お客様に健康な食品と購入可能な食品のいずれかの選択を迫るような状況を生むことは、絶対にあってはならないと思っているからです。
さらに、ウォルマートは、米国での飢餓撲滅に向けての取組みにもコミットしており、目的を達成するために、2015年までに20億USドルの金銭と物品の寄付をすることを宣言しました。この活動は、まさに、サステナビリティ360のアプローチに基づくものです。米国最大の食品提供企業として、我々は、10億ポンド以上の食品を寄付するだけでなく、自社の物流分野の専門的な知見を駆使し、フードバンクと物流センターをより効率的に結びつけています。そして、我々の従業員は、大きな情熱を持ってそれぞれのコミュニティに対して活動を行っています。
環境問題と社会問題に対して様々な活動を進めていく中で、我々はそれら二つを結びつける新たな取組みにも着手し始めました。持続可能な農業に関するコミットメントは、その非常に良い例です。2015年までに、100万人の中小規模農家から調達した食品を10億USドル販売することを宣言しました。また、農業従事者100万人(うち半数は女性)に、持続可能な農業技術のトレーニングも提供します。これは、農家の収入を10~15%程度向上させるだけでなく、殺虫剤や農薬、水のより効果的な使用にもつながるものです。環境問題と社会的な課題は、この取組みにより、強く結びつけられました。各国を訪問すると、サステナビリティ活動を行う様々なリーダーから、持続可能な農業に対するウォルマートの幅広いコミットメントに対する、多くの肯定的な言葉が寄せられます。
ウォルマートが、以下の3つの広範なゴールを掲げ、サステナビリティ活動に尽力を始めてから、5年以上が経ちます。
1) 再生可能エネルギーを100%利用する
2) 廃棄物をゼロにする
3) 人々や環境にとって持続可能な商品を販売する
まだ我々はこれらのゴールに到達していませんが、今日まで着実に前進してきていることを誇りに思います。そして、多くの人の想像をはるかに超えたウォルマートのこれまでの取組みをサポートしてくれたすべての従業員、お取引先様、NGOの皆様に、直接感謝の気持ちを伝えたいと思います。サステナビリティは、我々に、ウォルマートならではの固有の貢献可能性があること、そして、日々そうした貢献をし続けることこそが我々の責任だということを、気づかせてくれたのです。
今から20年ほど前になりますが、晩年のサム・ウォルトンは、時折将来に思いを馳せながらこう綴りました。『私は、かつて誰かが我々を「オザークの灯台」と呼んだように、ウォルマートが引き続き繁栄し成長するだろうと信じている。私が望むことは、我々の考え方が、この丘陵地帯を遠く超えて広まっていくということだけだ。我々は、コミュニティに還元できるより多くの方法を学ばなければならない。何故なら、我々は、すでにあらゆる点でより社会を意識することを学んできているのだから。』私は、昨年は、サム・ウォルトンがウォルマートに対して思い描いていた以上のものが実行できた一年になったのではないかと思っています。
ウォルマート・ストアーズ・インク
社長兼最高経営責任者(CEO)
マイケル・T・デューク
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